高脂血症
高コレステロール血症
高脂血症、高コレステロール血症とは、血液中のコレステロール値が高くなる状態のことを指します。通常、中性脂肪やLDLコレステロールが高くなることが多く、動脈硬化や心臓病のリスクが高くなります。高コレステロール血症の原因は、遺伝的要因や内分泌(特に女性ホルモン)、生活習慣、病気など様々なものがあります。症状はほとんどありませんが、動脈硬化や心臓病の進行につながることがあるため注意が必要です。
高コレステロール血症の診断には、血液検査が必要です。LDLコレステロール値やHDLコレステロール値、トリグリセリド値などを測定し、総コレステロール値を計算します。目標値は個々のリスクによって異なります。動脈硬化リスクが高い人は厳しく、低い人は甘くなっています。
高コレステロール血症の治療法には、薬物療法や生活習慣の改善があります。薬物療法ではスタチン剤などが一般的で、生活習慣改善では運動や食事の改善が重要です。スタチンは後発品も多く出ており、薬価負担は3-10円/日が平均的です。
高コレステロール血症を予防するためには、健康的な食生活や運動などの生活習慣改善が必要です。また、喫煙や過度の飲酒、ストレスなども高コレステロール血症のリスクを高める要因ですので、これらを避けることも重要です。健康診断などで定期的に血液検査を受け、コレステロール値のチェックをすることもおすすめです。ただし、遺伝的に高値になってしまう人は生活習慣での改善が見込めません。その場合は、内服治療を行うこととなります。
高コレステロール血症と食事の関係では、動物性脂肪やコレステロールが多く含まれる食品(バターやチーズ、肉類など)を控え、代わりに野菜や果物、穀物、魚介類などの食品を積極的に摂ることが大切です。簡単に言えば、和食(ご飯、みそ汁、焼き魚、ひじきなど)が良いです。
高コレステロール血症と運動の関係では、有酸素運動(ウォーキングやジョギング、サイクリングなど)が効果的です。運動により体脂肪を減らし、コレステロール値を下げることができます。ただし、無理な運動は避け、適度な運動を心がけましょう。
高コレステロール血症の合併症には、動脈硬化や心臓病、脳血管障害などがあります。これらの合併症は、高コレステロール血症が長期間続くことで起こることが多いため、早期に対処することが大切です。
参考文献リスト
日本高血圧学会・日本動脈硬化学会合同作成委員会. 『高血圧・高脂血症・糖尿病・腎臓病の診療ガイドライン2019』. 東京: 南江堂, 2019.
佐藤裕明. 「高コレステロール血症とは何か?」. 日本動脈硬化学会公式ウェブサイト. https://www.jaha-web.org/jaha-high-cholesterol/, アクセス日: 2023年3月11日.
National Heart, Lung, and Blood Institute. "High Cholesterol". https://www.nhlbi.nih.gov/health-topics/high-cholesterol, Accessed: March 11, 2023.
Mayo Clinic Staff. "High cholesterol". Mayo Clinic. https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/high-blood-cholesterol/symptoms-causes/syc-20350800, Accessed: March 11, 2023.
American Heart Association. "Cholesterol". https://www.heart.org/en/health-topics/cholesterol, Accessed: March 11, 2023.