糖尿病

糖尿病の患者さんは徐々に増えつつあります。

佐賀市、佐賀県でも、糖尿病治療の重要性は認識されています。

厚生省HP:https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b7.html

佐賀県HP:https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00359929/index.html

2021/01/21 発表された日医総研の報告書、ビッグデータからみた生活習慣病(NCD)の実態でも、”40-64歳の働く世代では糖尿病がある場合、脳梗塞のリスク比は11を超え、急性心筋梗塞のリスク比は13を超えていた”とされており、労働世代の糖尿病の治療は更に重要視されています。

インスリン、GLP1

当院では、インスリンやGLP1(オゼンピック®、トルリシティ®など)などの注射薬での治療も行っています。インスリンによる治療は、病気の状態だけでなく、生活への負担や効果を考えて注射の回数や血糖測定の回数を患者さんが納得できる形で調整しています。

GLP1製剤は、自己注射製剤をお勧めしますが、内服という選択肢も出てきています。安全性も更に高まっており、国内、海外のガイドラインでも選択肢の上位に上がってきています。脂肪肝の合併例は比較的効果が高いです。肥満症は膝、腰が痛くなり、運動ができなくなりという悪循環も見られるため早めに体重を落とすことの出来るGLP1を使うのも一つの選択肢です。

なぜ糖尿病の治療が大切か

糖尿病の中には、遺伝や体質が主な原因のときと、生活習慣が主な原因のときと2つあります。どちらも治療が必要です。「おりゃー、好きにして死ぬときは死ぬばい」そういう患者さんは沢山見てきました。心筋梗塞になったときに「言われたとおり、死ぬときがやってきました。」と聞くと、やはり生きたいと言われます。網膜症になったときに「運転できなかったら困るばい。」「テレビも見れないで、つまらん。」と言われます。心筋梗塞などの一部の疾患は急死することがあります。通常、現代医学で多くの人はこの状態から救われますが、後遺症を抱えて過ごすことになります。心筋梗塞の場合は心不全、脳梗塞であれば片麻痺です。

「健康寿命が減ってしまう」ということです

当院の治療で大切にしていること

1.食事療法、運動療法を強く推奨します

「糖尿病は良くなったけど、太って膝が痛くなって動けなくなった。」などが無いように、バランスを意識して治療をしていきます。トータルバランスを目指した治療には、食事療法や運動療法は絶対に必要です。健康寿命を、その他の疾患の予防を考えると絶対に必要です食事療法も一概には言えないんですね。年齢、体質(インスリンが出ているか、遺伝性が強いか)や体重、生活のリズム(独身、単身赴任、営業や介護疲れ、育児)などで変動します。

2型糖尿病の診断であれば食べすぎ、体重が多いときは総カロリー量を意識すると良いですね。テレビやネットでは○○が糖尿病に良いらしい!!Xさんが糖尿病の人は○○を食べたらダメって言っていた。などの情報が錯綜しています。しかし、食事療法がうまくいくかの一番のポイントは「総カロリー量」です。テストのイメージでは……総カロリー量が試験のヤマです。ここから8割でます。個別の○○を食べるかは試験の出題範囲は5点ほどです。総カロリーが気になる人への食事は……「図書館に行って調べましょう!!」です。1つの食事療法ではやっぱり飽きてしまいます。カロリーが記載されているレシピをうまく組み合わせると良いでしょうね。

.もちろんガイドラインを遵守します

改定されるガイドラインを遵守出来る、目標値を超えられるようにサポートします。ガイドラインが改定されました。2019年のガイドラインが提示されています。

http://www.jds.or.jp/modules/publication/index.php?content_id=4 是非一緒に勉強しましょう。

.低血糖を減らします

低血糖は高血糖と同レベルに脳へのダメージが大きいことが分かってきています。そのため、内服薬も低血糖が起きにくい薬剤が開発されています。勤務医のときには低血糖脳症(意識障害が持続)した患者さんも見てきました。

4.コストパフォマンスを意識して薬剤を調整します

薬剤がどれでも選べる状況であれば、できるだけ安い内服薬を選択します。例えばメトホルミンというお薬は、脳梗塞や心筋梗塞の予防効果もしっかりと証明されています。薬価の自己負担は1日10円以下です。ただし、パフォーマンスも大切で、短期的には高価格でも、一生涯のコストパフォーマンスが良いように薬剤を選択します。

リブレ®の取り扱いを開始しました

2020年4月より2型糖尿病でも、1日2回インスリンを打っている人はリブレを使えるようになりました。リブレはセンサーを常時貼り付け、Bluetooth機能を使って血糖値を表示する機械です。今まで血糖測定は、多いと一日3~4回「消毒」「穿刺」「測定」が必要でした。しかし、リブレは2週間に一度の「消毒」「穿刺」ですみます。血糖の推移が凄くわかりやすくなるので低血糖を繰り返している方にもおすすめです。江口医院でも複数人の方が使用されていますが、止めたいと言われるかたは現在おられません。メーカーさんや近隣のDrの話では、一度始めて辞める人は5%くらいとのことで、皆さん助かっているようです。ただし、費用負担も増えてしまいます。3割負担の方で1200円/月程度、1割負担の方で400円/月程度必要になります。只今、導入は院長の江口 仁医師のみが取り扱っています。納入に1週間ほどかかりますのでご希望の方はご連絡頂ければ幸いです。

江口 仁医師の外来表

糖尿病とは

糖尿病とは、血液中の血糖値が高くなる病気のことを指します。血糖は体内に必要なエネルギーです。しかし、多すぎると血管を痛める原因となります。血糖値が高くなる原因として、インスリンというホルモンが正常に働かないことが挙げられます。インスリンが正常に働いて、かつ食べ過ぎた場合は単なる肥満になっていきます。(肥満が良いことではありません)糖尿病は、血管を痛めます。つまり、放置すると脳卒中や心筋梗塞、腎不全などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。そこで、本記事では、糖尿病の予防や食事、運動、生活上の注意点について解説します。

糖尿病の原因

糖尿病の原因は複数ありますが、主なものは遺伝的要因、肥満、運動不足、高齢、食生活などが挙げられます。糖尿病の発症には、これらの要因が複合的に関与することが知られています。2型糖尿病は特に、肥満や運動不足は糖尿病発症のリスクを高めるとされています。そこで、運動と食生活を見直すことが重要です。

糖尿病の症状

糖尿病の症状としては、多飲・多尿、眼のかすみ、手足のしびれ、皮膚のかゆみ、口渇などが挙げられます。しかし、軽症~中等症の多くは症状はなく、血液検査をしないとわからないことが多いです。中等症、重症を放置した場合は、目の見えにくさや息切れ(心不全)などの症状が出現します。しかし、その症状が出てからだと後遺症の一部が原則残りますので、定期的な健康診断が重要です。特に家族に糖尿病の病歴がある方は注意したほうが良いでしょう。

糖尿病の診断

糖尿病の診断で、いちばん簡単な検査は尿検査です。痛くもないですが、軽症の糖尿病の場合は尿糖が陰性のことがありますので油断できません。血液検査による血糖値の測定が行われます。血糖値が異常値である場合、さらにHbA1cやOGTTなどの検査が行われることがあります。最近ではHbA1c が検診でもチェックされるようになりました。一方、サイダーを飲んで血糖値を頻回に測るOGTTという検査は手間や他の検査の発達で行われなくなっています。当院では、OGTTは中止しました。

糖尿病の治療

糖尿病の治療には、薬物療法、食事療法、運動療法があります。

薬物療法

血糖値を下げる薬やGLP1注射やインスリン注射などが使われます。当院では、ガイドラインに沿いつつ、個別のインスリンの分泌量、副作用、合併症、筋肉量、年齢やその他の疾患の予後により適切に薬剤を選択します。当院でよく使用されている薬剤は以下のとおりです。

内服薬

注射薬

トレシーバ、ライゾデグ、グラルギン、アスパルトなどを主に使用しています。

オゼンピック、トルリシティを使用しています。ウゴービが発売予定となり、セマグルチドの使用量は今後も増えそうな印象です。

食事療法

2型糖尿病と肥満を合併している場合、最も重要なことは総カロリー量の制限です。いい食べ物やサプリメントより、総カロリーの制限。テストのヤマは総カロリーの制限です。その上でコンセプトは、簡単にいえば美味しいものを食べすぎないこと。次に、パン、メン、丼を控えること。非常に栄養バランスが偏ります。

肥満を合併していない場合は、糖質制限や食事の均衡化、食物繊維の摂取などが重要とされています。血糖値を上げにくい糖質の種類や量を調整することが重要です。糖質制限や野菜やきのこ類を積極に取り入れることが有効です。

また、食事の時間帯や回数も大切であり、適切な間食やバランスの良い食事を心がけることが重要です。詳しくは日本糖尿病学会の公式サイトなどで情報を収集することができます。

運動療法

有酸素運動や筋力トレーニングなどが推奨されています。有酸素運動とは、「息が上がる運動」です。有酸素運動は、血糖値を下げる効果があるとされており、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどがおすすめです。運動初心者は、ウォーキングから始めましょう。30-60分が効果的と言われていますが、ハードルが高い方は5分からでもOKです。筋力トレーニングは、筋肉量を増やすことで血糖値の上昇を抑える効果があります。運動を行う際には、内服薬との兼ね合いになりますが、低血糖に注意をして飴玉などを持ち歩きましょう。心不全がある方などは、医師と相談して選択することが重要です。

運動する暇がない…。しかし、運動は様々な研究で、寿命が伸びることが分かっています。つまり、運動する時間がないと言いながら、更に時間を失っていることになります。

糖尿病の予防

糖尿病を予防するためには、適度な運動やバランスの良い食生活、適正体重の維持が重要です。また、喫煙やストレスも糖尿病のリスクを高めるため、禁煙やストレスマネジメントも重要とされています。また、糖尿病の家族歴がある場合は、定期的な健康診断や生活習慣の見直しが必要となります。